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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかきょうし

田舎教師 他一編

田山 花袋

Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

清三は不思議なことをしていると思ったばかりで、同じ調子で、ステッキを振りながら歩いて行った。坂には両側からしげった楢の若葉が美しく夕日に光ってチラチラした。通りすがる時、女どもは路をよけて、笑いたいのをしいて押さえたというような顔をして、男を見ている、からかう気だなということが始めてわかったが、しかしべつだん悪い気もしなかった。侮辱されたとも気まりが悪いとも思わなかった。むしろこっちからも相手になってからかってやろうかと思うくらいに心の調子が軽かった。通り過ぎて一二間行ったと思うと、女どもはげたげた笑った。清三がふり返ると一番年かさの女がお出でお出でをして笑っている。こっちでも笑って見せると、ずうずうしく二歩三歩近寄って来て、

「学校の先生さん!」

一人が言うと、

「林さん!」

「いい男の林さん!」

と続いて言った。名まで知っているのを清三は驚いた。

「いい男の林さん」もかれには、いちじるしく意外であった。曲がり角でふり返って見ると、女どもは坂の上の路にかたまって、こちらを見ていた。

川向こうの上州の赤岩付近では、女の風儀の悪いのは非常で、学校の教員は独身ではつとまらないという話を思い出した。