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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかきょうし

田舎教師 他一編

田山 花袋

Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

三十七

と叫んだ。しかし心はそんなに激してはおらなかった。

麦倉の茶店では、茶をのみながら、

「もうここに休むこともこれぎりだ」

大高島の渡しを渡って、いつものように間道を行こうとしたが、これも思い返して、

「なアに、もうわかったッてかまうもんか」

で、大越に出て、わざと老訓導の家を訪うた。

老訓導は清三のつねに似ずきわだってはしゃいでいるのを不思議に思った。清三は出してくれたビールをグングンとあおって飲んだ。

「何か一つ大きなことでもしたいもんですなア――なんでもいいから、世の中をびっくりさせるようなことを」

こんなことを言った。そしてこれと同じことを昨年羽生の寺で和尚さんに言ったことを思い出した。たまらなくさびしい気がした。

三十七

その年の九月、午後の残暑の日影を受けて、上野公園の音楽学校の校門から、入学試験を受けた人々の群れがぞろぞろと出て来た。羽織袴もあれば洋服もある。廂髪に董色の袴をはいた女学生もある。校内からは、ピアノの音がゆるやかに聞こえた。

その群れの中に詰襟の背広を着て、古い麦稈帽子をかむって、一人てくてくと塀ぎわに寄って歩いて行く男があった。