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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかきょうし

田舎教師 他一編

田山 花袋

Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

机の上には半分ほど飲んだ水薬の瓶が夕日に明るく見えていた。清三は今朝友から送って来た「音楽の友」という雑誌をひろげてひで子に見せた。口絵には紀元二百年ごろの楽聖セント、セリシアの像が出ていた。オルガンの妙音から出た花と天使の幻影とを楽聖はじっと見ている。清三はこの人はローマの貴族に生まれて、熱心なるエホバの信者で、オルガンの創造者であるということを話して聞かせた。美容花のごとくであったということをも語った。

オルガンの音がやがて聞こえ出した。小使が行ってみると、若い先生が指を動かしてしきりに音を立てているかたわらに、海老茶の袴を着けたひで子は笑顔をふくんで立った。

校庭は静かであった。午後の日影に雀がチャチャと鳴きしきった。テニスコートの線があきらかに残っていて、宿直室の長い縁側の隅にラケットやボールや網が置いてあるのが見える。庭の一隅には教授用の草木が植えられてあった。

ひで子を送って清三はそこに出て来た。

薔薇の新芽が出ているのが目についた。清三はこれをひで子に示して、

「もう芽が出ましたね、早いもんだ、もうじき春ですな」

「ほんとうに早いこと!」