Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
「どうも試験に余裕がなくって困った。英語の書き取りなど一度しか読んでくれないんだから困るよ。それに試験の場所が大きく広すぎて、声が散ってよく聞きとれないんだから、ドマドマしてしまったよ。おまけに代数がばかにむずかしかった」
代数の二次方程式の問題をかれは手帳に書きつけてきた。それを机の抽斗しやら押入れの中やら文庫の中やらあっちこっちとさがし回って、ようやくさがし出して二人に見せる。なるほど問題はむずかしかった。数学に長じた郁治にもできなかった。
北川は漢学には長じていた。父親は藩でも屈指の漢学者で、漢詩などをよく作った。今は町の役場に出るようになったのでよしたが、三年前までは、町や屋敷の子弟に四書五経の素読を教えたものである。午後三時ごろから日没前までの間、蜂のうなるような声はつねにこの家の垣からもれた。そのころ美穂子は赤いメリンスの帯をしめて、髪をお下げに結って、門の前で近所の友だちと遊んだ。清三はその時分から美穂子の眼の美しいのを知っていた。
郁治と清三が暇をつげたのは夜の九時過ぎであった。若い人々は話がないといっても話がある。二人はそこを出てしばしの間黙って歩いた。