Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
その街道にはいろいろなものが通る。熊谷行田間の乗合馬車、青縞屋の機回りの荷車、そのころ流行った豪家の旦那の自転車、それに俥にはさまざまの人が乗って通った。よぼよぼの老いた車夫が町に買い物に行った田舎の婆さんを二人乗りに乗せて重そうにひいて行くのもあれば、黒鴨仕立のりっぱな車に町の医者らしい鬚の紳士が威勢よく乗って走らせて行くのもある。田植時分には、雨がしょぼしょぼと降って、こねかえした田の泥濘の中にうつむいた饅頭笠がいくつとなく並んで見える。いい声でうたう田植唄も聞こえる。植え終わった田の緑は美しかった。田の畔、街道の両側の草の上には、おりおり植え残った苗の束などが捨ててあった。五月晴れには白い繭が村の人家の軒下や屋根の上などに干してあるのをつねに見かけた。
用水のそばに一軒涼しそうな休み茶屋があった。楡の大きな木がまるでかぶさるように繁って、店には土地でできる甜瓜が手桶の水の中につけられてある。平たい半切に心太も入れられてあった。暑い木陰のない路を歩いてきて、ここで汗になった詰襟の小倉の夏服をぬいで、瓜を食った時のうまかったことを清三は覚えている。