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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかきょうし

田舎教師 他一編

田山 花袋

Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

清三は一円五十銭で、一人寝の綿蚊帳を買って来て、机をその中に入れて、ランプを台の上にのせて外に出して、その中で毎夜遅くまで書を読んだ。自分のまわりには――日ごとによせられる友だちの手紙には、一つとして将来の学問の準備について言って来ないものはない。高等師範に志しているものは親友の郁治を始めとして、三四人はあるし、小島は高等学校の入学試験をうけるのでこのごろは忙しく暮らしていると言って来るし、北川は士官学校にはいる準備のために九月には東京に出ると言っているし、誰とて遊んでいるものはなかった。清三もこれに励まされて、いろいろな書を読んだ。主僧に頼んで、英語を教えてもらったり、その書庫の中から論理学や哲学史などを借りたりした。机のまわりには、文芸倶楽部や明星や太陽があるかと思うと、学校教授法や通俗心理学や新地理学や、代数幾何の書などが置かれてある。主僧が早稲田に通うころ読んだというシェークスピアのロメオやテニソンのエノックアーデンなどもその中に交っていた。

若いあこがれ心は果てしがなかった。瞬間ごとによく変わった。明星をよむと、渋谷の詩人の境遇を思い、文芸倶楽部をよむと、長い小説を巻頭に載せる大家を思い、友人の手紙を見ると、しかるべき官立学校に入学の計画がしてみたくなる。