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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

光丸だけが残っている。

(妙な具合になって来たわい)

しかし、こうなったら、成行に委せるほかはない。金五郎は糞度胸をきめた。すると、かえって、落ちついて来て、その後は、演説ぶりが調子よく、いつになく上出来で、

「……来る三十一日の投票日には、みなさんの貴重な一票を、ぜひとも、正義の党たる中立聯盟の同志に、御投与下さいますよう、お願い申します」

と、結ぶことが出来た。

拍手を浴びて、控室に帰って来ると、原田雲井が、

「どげんしなさったな? 出だしと結びとが、大層なこと差があったが。前半は丙で、後半は甲ノ上たい」

そんなことをいって、笑った。

(勝則も、演壇から、光丸の顔を見たら、おれのように、とちるかも知れん)

卓のうえに原稿をのせて、目読している息子を見て、金五郎は、意地のわるいことを考えていた。

中村勉が、演壇に、出て行った。築港会社の社員で、二十七歳。角ばった精悍な顔に、はちきれそうな闘志をみなぎらせている。

控室の裏手の入口から、セルの着流しの男が、ぶらりと入って来た。

「オヤジ、お疲れさん」

「こりゃあ、時やん、若松に来とったな?」

「二三日前から。