Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
毎日、やけ酒ばっかり飲んで、狂人のごとなっとった。あのときに、ピストルがあったら、おりゃあ、また、追いつめられて、「蝮一」を殺したときのように、友田喜造か、栗田銀五かを、やっとったかも知れんなあ。じゃが、時やんがピストルを持って来て、くれたときにゃあ、なんぼか頭が冷えとった」
「そうか」
「おれも、昔とはちがう。あの百合香なあ、あいつ、三年ほど前に、亭主に先だたれて、後家暮しをしとったが、今度、願ってもないええところから、貰い手がついた。再縁にしちゃあ、拝みたいほどの人よ。その縁談の、……いや祝言のため、東京から帰って来たんじゃ。あいつも大よろこびよ。それから、今、京都の大学に行っとる長男、鹿児島の七高に居る二男坊――考えて来りゃサ、少々、腹が立つことがあったところで、うかつなことは出来ん。まして、人殺しなんど、……」
「わかった。よう、我慢してくれた。暴力は絶対いかん。もっと、別の方法で、仇を討つことが出来るよ」
「そうじゃ。おれも、それを悟ったんじゃ。それに、日若座も、お前たちのおかげで、再建のめどもついた。保険もつけてあったもんで、助かった。島崎勇次がひと肌ぬいでくれて、……いや、両肌ぬぎで応援してくれて、前よりも、三倍も五倍も立派な劇場が出来そうにある。