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Japanische Klassiker mit Furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

けっしてそのようなご心配にはおよびません」

「いいえ、むかしとは違います」

「いや、私どもはどこまでも旧臣の身分でございます」

「まだ十三やそこらのお子さんですもの。それを私たちの都合で両親の手から取ろうと申すのはあまり勝手でございます。私、お母様のお心持ちが察しられますから、そこのところを直々お目にかかって念の通じるように申し上げたいと存じます」

「それでは家内をあがらせましょう」

「いいえ、私の心まかせにしておくれ。それから内藤さん」

「はあ、はははあ」

「これはお家へおみやげに」

「どういたしまして、この上そんなご配慮をわずらわせ申し上げてはますます恐縮でございます」

「いいえ、お忙しいところをお呼びたてして申しわけありません」

「奥様、今日は日曜でございます」

「あ、そうでしたかね」

と奥様も日曜をご存じない。

内藤さんは拝領品を平に辞退して、にげるように玄関へむかった。富田さんが待っていたので、また家令詰所というのへはいってしばらく打ちあわせをしているうちに、

「自動車のお支度ができました」

と女中が知らせにきた。

「それでは内藤氏」

「富田様」

とちょっと芝居のようなことをして、内藤氏は玄関へ出る。