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Japanische Klassiker mit Furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

若様のご手術

照彦と内藤さんとはどちらが強いでしょうね?」

と奥様は二人の気をはげました。

学習室へもどる途中、

「照彦様」

と正三君がよりそった。

「なんだい?」

「痛いんでしょうね? 切るのは」

「痛いとも。血が出る」

「いやだなあ」

「でもきみは先刻すすめたじゃないか?」

「あれは若様ばかりだと思ったからです」

「それだからきみはずるいよ」

「ハッハハハハ」

「ハッハハハハ」

と二人は利害が一致したので、先刻の廊下を仲よしになって通った。

若様のご手術

「自習時間中に何ご用でしたか?」

と安斉先生が正三君にきいた。先生は学習室の全権をにぎっているから、ナカナカやかましい。

「お医者さんがおいでになったついでに僕も見ていただきました」

「ははあ。きみもやはり喉や鼻がおわるいのですか?」

「はあ。若様と同じように扁桃腺がはれているそうです」

「それはそれは」

「なんともないつもりでしたが……」

と正三君は手術のことを思い出した。

「この頃の人は武術で身体をねらないからいけません。それに洋食ばかりしますから、とかく故障が多くなりますよ」

「そうでございますかな」

「粗食がいいです。私なぞはぜいたくをしませんから、この年になってもこのとおり頑健です」