Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

お肝試しの会

と照常様は正直にいった。

「期せずして肝胆相照らしましたな。若様がた」

「はあ?」

「今晩はおもしろいことがございますぞ」

「なんでございますか? 先生」

と皆乗り出した。

「試胆会をいたします」

「はあ?」

「若様がたのお肝試しの会でございます」

「肝試し。ははあ」

「胆力養成会と申しましょうか? 裏のお山で催したいと存じますが、いかがでございますかな?」

「結構でしょう」

と照正様は賛成して、

「しかしいったいどんなことをするんですか?」

ときいた。

「夜の十時にお裏山の稲荷神社へお一人ずつおでかけを願います。あそこへ硯箱と帳面を用意しておきますから、ご参詣の証拠にお名前をおしたためになってお帰りください」

「それだけでございますか?」

「はあ」

「お安いご用です」

「肝は大ならんことを欲し、心は小ならんことを欲す。後日の物笑いになりませんよう、ご入念におしたためを願います。昔、私の同輩の北村喜二郎と申すものが、郎の字を落として帰りました。喜二郎の郎がなければ、喜二、即ちキジ、鳥の雉に字音が通じます。そこで雉子雉子ケンケン郎を落としたという評判が立ちました。そんなことがあっては武士の名折れでございます」