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Japanische Klassiker mit Furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

「患者だって痛ければかむさ」

「しかし……」

「しかししかしって、きみは柳田びいきか?」

と照彦様はこわい顔をした。

「そうじゃありませんが、しかし……」

「また!」

「…………」

「きみは僕に大和魂がないというつもりだな?」

「すこしあります」

「よし。それじゃきみはどれぐらいある?」

「若様ぐらいあります」

「なまいきなことをいうな。歯の丈夫なものにわかるものか」

「とにかく若様はごしんぼうがたりません」

と正三君は思うとおりを正直にいった。

「知らん」

「しかし明日一日ですからもういいです」

「きみのお世話にはならないよ」

「若様、電車がまいりました」

「知らん」

と照彦様は急に不機嫌になってしまった。

その晩のことである。食事の折り、奥様が、

「照彦はすこし顔色がわるいようですね」

とおっしゃって、じっと見つめていられた。

「そんなことはないです」

と照彦様が答えた。

「なんともありませんの?」

「ええ。歯医者でガリガリやられて痛かったからでしょう」

「今日で四日ですね。よくしんぼうがつづきます」

「はあ」

「それにしてもすこし青いようですわね」

「おかぜじゃありませんの?」

とお姉様の妙子様もうちまもった。