Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
自発的のところに値打ちがあるんです」
「むろんそれはそうさ」
「それにこれから帝大を出るのとアメリカへいって勉強するのでは将来がだいぶ違ってきますから、本人の自由意志できめさせたいと思ったのです」
と兄さんは兄さんだけのことがあった。
「おまえも分からず屋のようでいてナカナカ考えているんだね」
とお父さんはこれも至極満足のようだった。
お母さんや姉さんたちも決心しなければならなかった。しかしいままで一緒にいたものが急によそへいってしまうのはやはり心もとない。
お母さんはその翌日、
「家のお父さんという人はなんでも私に相談しないできめる人だから困りますよ。おまえたちも気をつけていないとどんなところへお嫁にやられるかもしれませんよ」
といやみをいった。
「でも縁談はご相談なさいますわ」
と一番上の貴子さんは笑っていた。
「正三のことは私もうあきらめました。お受けしないで帰っても、やっぱりつまりはこうなるんですわ。お殿様と奥様お二人のおぼしめしですからね」
とお母さんは納得もしているようだった。なお、
「それに始終おやしきへお出入りするようになれば、おまえたちの縁談にはどんなに都合がいいかしれませんわ」