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Japanische Klassiker mit Furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

と尾沢生が感心したくらい堀口生の改悛は、いちじるしかった。

「おれは昨日何年ぶりかでお母さんにほめられたよ」と堀口生も得意だった。橋本先生も、

「堀口君、君は生まれかわったね。しかし数学をやってこなければいけないよ」

と時々はげましてくれる。堀口生はその都度頭をかいて相好をくずす。先生からやさしい言葉をかけられるのがうれしいのだ。しかしある時、

「先生、僕はこのごろくたびれてだめです」

と答えた。これはほんとうだった。おとなしくしているのが大きな努力だから、いまだ勉強の方までは手がまわらない。よほど気をつけていないと癖が出て、

「やい、こんちきしょう!」

なぞとやる。もっともそのすぐ後から、

「しまった。失敬、ごめんごめん」

とことわる。一度運動場で足をふんだ子を突きとばしたが、急いで抱きおこしてやって、

「失敬失敬、ごめんよごめんよ」

とあやまった。あいにく松村君や正三君が見ていたものだから、大いにあわてて、

「松村君、内藤君。ついしちゃったんだよ。けれどもいいあんばいに他の級の生徒だった」

と弁解して逃げていった。

「退校届がこわいんだね」と正三君がいった。