Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

おやしきへあがる前はこの部屋に机をならべていたのである。

「兄さん、やっぱり僕の机がありますね」

と正三君は懐かしそうにながめた。

「お前がいると思ってもとのとおりにしておくんだよ。そこへ坐れ」

「はあ」

「おれは夜『おい、正三』って呼んでみることがあるよ」

「…………」

「今頃はなにをしているのだろうと時々思い出す」

「…………」

「ベソをかくなよ」

「はあ」

「どうだい? おやしきは」

「おもしろいです」

「ほうとうのことをいえよ」

「辛いこともあります」

「がまんできるかい?」

「できます」

「ほんとうのことをいえよ」

「できます」

「照彦様は相変わらずむりをおっしゃるのかい?」

「時々おっしゃいます。けれどもこの頃は僕も負けていません。喧嘩になることがあります」

「ふうむ。ナカナカ強いんだね。お前も」

「そんな時には僕はもう家へ帰るというんです。すると照彦様は『内藤君、ねえ、内藤君』ってごきげんをとるんです」

「それでいいんだよ。学友だもの。おべっかを使う必要はちっともない」

と祐助君は正三君が卑屈になることを恐れて強くいう。

「殿様も奥様も若様がたも皆ご親切にしてくださいます。それから僕は安斉先生に信用があるんです」