Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
「そこへもってきて、きみは万事において若様に花を持たせなければいけないって安斉先生がおっしゃるんです。若様よりも下になれってことに相違ありません」
「なるほど。わからず屋がそろっている」
と祐助君は思案にあました。
晩ご飯にはお父さんも帰ってきてまた話に花が咲いた。
「正三はおやしきにご奉公しているだけあって言葉がよくなった上におとなびてきたよ」
とお父さんも気がついた。
「それがいいことかわるいことかわかりませんよ」
と祐助君がいった。お学友に出すのは反対だったから、ついそれが出たのである。しかしお母さんはお父さん同様、
「不足をいうと罰があたりますよ。なにしろお殿様から毎日じきじきにお言葉をいただくんですからね」
とありがたがっている。
「それではお母さんはおトンカチってものをご存じですか?」
と祐助君がきいた。
「おトンカチ? そんなもの存じませんよ」
「かなづちのことです」
「へええ」
「そのおトンカチで正三は頭をぶたれるんです」
「ばかなことをいうなよ」
とお父さんが取りあげなかったので、祐助君は正三君の立場を説明した。
食後、正三君は、
「今兄さんがおっしゃった試験のことですが、お父さん、どういたしましょうか?」