Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
とお父さんはなお主張したが、祐助君はもう黙っていた。
「そのかわりお心持ちはりっぱなものです。僕がそばできいていて、見す見すおせじだと思うようなことまでほんとうにしてしまいます」
「ご自分のお心がおきれいだから、人を疑うことをご存知ないんだ」
「全くそうです。人がわるい考えを持っているなんてことはちっともお思いになりません」
「あまりお人がらがよすぎても困るね。皆おベッカを使うだろう」
「はあ、思うとおりおっしゃるのは安斉先生だけです」
「先生はえらい」
「この間の試験の時、照正様は『僕は数学が百点で英語が九十点の夢を見た』とおっしゃいました。すると矢島先生は『それは結構なお夢でございます』と申しあげました。これなんか見えすいたおせじです」
「なるほど」
「しかし安斉先生はニヤニヤお笑いになって、『若様、夢は逆夢と申しますから、アベコベにならないようにお気をつけなさいませ』とご注意を申しあげました」
「さすがは先生だ」
「ところが照正様はその意味がおわかりにならないんです。『アベコベなら数学が九十点で英語が百点でしょう。いいじゃありませんか?』とおっしゃって平気でした。