Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
「なんでもいいんですね?」
「うむ」
「後で考えましょう」
といった時、お裏山へゆく道を横切ったので、正三君はお肝試しの会の出来事を思い出した。
「若様」
「なにかあるかい?」
「いや、この道ですよ。こわかったですな」
「きみが震えはじめたところだよ」
「若様、杉山はどうですか?」
「もう臭くないよ」
「けがはなおったんですか?」
「ピンピンしている。丈夫な奴だよ」
「それはよかったですな」
「しかしあいつはいかん」
「なぜですか」
「僕たちのことを女中たちにしゃべった」
「おトンカチとバットの一件ですか?」
「うむ。皆知っている」
「しかしほんとうだから仕方ないです」
「それでも失敬だ。僕は杉山を福引きにしてやろうかな」
と照彦様はまた考えこんだ。
まもなく安斉先生の玄関に着いて、
「ごめん」
と正三君が声をかけた。
「きみ、だめだよ」
「なぜですか?」
「年賀ってものはコッソリ名刺をおいて逃げるものだ」
と照彦様がいったとき、
「いや、そういうものじゃございませんぞ」
と障子があいて、安斉さんがあらわれた。
「新年……」
「おめでとう……」
「……ございます」
と二人は大いにあわてた。
「お早々と恐縮です。