Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
「まあ! 恐れ入りますわね」
「園遊会の時にはぜひきていただくんですって。一ぺん申しあげたばかりだのに、貴子さんと君子さんでしたわねって、チャンと覚えていらっしゃいますよ」
「まあ! うれしいこと」と君子姉さんも光栄身にあまった。
晩も正三君は伯爵家の楽しいことばかり話した。辛いからといって今さらお断わりもできない立場になっている。やり通す以上は家のものに無駄な心配をかけないほうがいいと思ったのである。それでおやしきにいる時と同じように虚勢をはって、
「僕はもう少しも遠慮しません。照彦様とすっかり仲よしになってしまって、家も同じことにしています」
と強いところを見せた。しかし一晩寝て起きると、またすっかり家の子にもどってしまって、翌朝兄さんの祐助君にいろいろと尋ねられた時、覚えず弱音をふいた。まだ十三、それも今まで甘やかされていた末っ子だから仕方がない。祐助さんは話の中に、
「照彦様はどうだね? わがままをおっしゃるだろうね」
ときいた。
「それは仕方ありません。けれども僕が帰るというとすぐに後悔します。僕にあやまることもあるくらいです」
「帰られちゃ遊び相手がなくなって困るだろうからね。