Japanische Klassiker mit Furigana
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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
Lesen Sie 迷信と宗教 (めいしんとしゅうきょう) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.147 Zeichen · 298 Bildschirme
先生はじめ有り合う人々興をさまし、口を閉じ互いに顔を見合わせ、なににたとえん方もなく茫然たるありさまなり。かくするうち九つ過ぎにもなりければ、「まず休みたまえ、明日湯本へおくるべし」とて、その夜は止宿いたさせ、翌日になって右の者ども四、五人にて道を送り行くほどに、とある所にて、「あの見ゆる所湯本なれば、この道筋を直に行けば出ずるなり」とよくよく教え、「御縁あらば重ねて」といとまごいして別れけり。
それより湯本へ帰りしところ、旅宿にては大騒ぎ。大切の預り息子、昨日より出でて帰らざれば、手分けしてたずぬるといえども、地理をも知らぬ他国のこと、いずれを何国とわかつべし。連れの者どもはみな立ちかかりて、かの息子をしかるやらよろこぶやら、泣くやら笑うやら。生死のほども知らず、江戸へ飛脚を立つべしや、なんと言ってよかろうと、とやかくとみな打ち寄りて辛労せしこといくばくぞや。「かようなる迷惑なる目にあいしこと、これまで覚えず」などと口々に言い立てられ、あやまりいりていたりしなり。しかれども、まず別儀なく帰られしとよろこび、後は笑いになりて事すみぬ。その後の言い合わせに、帰府してもこの沙汰は一向無言の申し合わせにて、湯治も相応していよいよ堅固にありしなり。