Japanische Klassiker mit Furigana
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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
Lesen Sie 迷信と宗教 (めいしんとしゅうきょう) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.147 Zeichen · 298 Bildschirme
(六)運命論
(六)運命論
王公貴人は百事意のごとくならざるなきも、ひとり意のごとくならざるものは、運命なり。運命の前には、権力も金力もさらにその用をなさず。諺に「地獄の沙汰も金次第」というも、運命の沙汰はこの限りにあらず。ゆえに、王公貴人も運命に対しては大いに迷うところあり。死生の動かすべからざる、病患の避け難き、禍福の期し難き等は、みな運命なり。あるいは富貴の家に生まれて、生まれながら富貴なるものあり。あるいは貧賤の地に生まれて、生まれながら貧賤なるものあり。あるいは天性英傑の才を抱きながら、時の不遇のために終身その才を伸ぶることあたわざるものあり。あるいは凡庸の力をもって僥倖を得るものあり。あるいは明治以前に生まれて尊王を唱え、その身もその名もともに湮滅して世にあらわれざるものあり。あるいは宗教革命の前に出でて革新主義をとり、ために身戮せられて名の伝わらざるものあり。
かくのごときは、人力、人知のいかんともすることあたわざるところにして、これを総称して運命という。これ、実に諸迷のよって起こる根拠なり、本城なり。この本城を一掃するにあらざれば、到底迷苦の世界を変じて至安最楽の世界となすことあたわざるべし。