Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

お栄の手紙

猫の子一匹通ったのだって見のがしません」

「?」

「五郎八の女房のお六は、手拭で顔を隠して通るので、だれにでも直ぐわかるそうです。なるほどあの大火傷じゃお見それ申すわけに行きませんね」

「何んという口を利くのだ、ばか」

「ヘエ」

八五郎は平次に何をしかられたか、その意味がよくわからない様子です。

お栄の手紙

両国を引揚げて、神田明神下の平次の家へ、二人はあなの中に引入れられるような滅入った心持で、ポクリポクリとたどっておりました。

たいして騒ぎもあわてもしませんが、銭形平次に取っては恋女房のお静が、不意に姿を隠したのは(別作『七人の花嫁』)の事件以来のことです。見てくれはたいして変ったところがなくとも、平次の焦躁と懊悩は、子分の八五郎がよく知っております。

いや、その八五郎のガラッ八こそは、ベターハーフの平次よりも、もっともっと熱烈なお静のファンで、そしてお静の崇拝者だったのです。

「ねえ、親分」

「何んだ、うるせえな」

新らし橋まで来ると、たまり兼ねてガラッ八は声を掛けました。

「姐さんはどうしたでしょうね。無事な顔を見ないうちはあっしは寝ても眠られませんよ」