Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

五重の塔

平次は威勢よく八五郎の知慧を叩きつぶします。

五重の塔

「では、何処です。親分」

「おれにも見当はつかないよ。思い当ることがないでもないがこいつをいうとお前に笑われそうだ――黙って来るが宜い」

「あっしは、愛宕山の外に、六十も段々のある場所はないと思うが。ね、親分」

八五郎は執念深く食い下がります。

「あの文句の後にある(おやじの口の中)というのは何んだ。愛宕山にそんなのがあるかえ」

「おやじの口の中にあるのは入歯ですよ」

「それが一万二千となんか引っかかりがあるというのか」

「それがね」

八五郎もそれ以上には知慧がまわりません。

山下で昼の支度をして、上野の山へ登ったのは未刻半(三時)ごろ。

「何処へ行くんです、親分。その先にはいろは茶屋ばかりですよ」

谷中天王寺を取巻いた私娼窟は、上野から谷中へかけての夥しい僧侶の隠れ遊び場所で、これをいろはと俗称しております。

「その中に、お前は夢中になっているのがあるという話じゃないか」

「あれはいろは茶屋じゃありませんよ。天王寺の側でしきみや線香を売っている家ですよ」

「大層な信心なんだね。兎も角、その仏様臭い家へ案内してくれ。