Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
たんすの中
「親分」
「待て待て二人で飛び出すと、また相手の術に乗るようなものだ、――お前はここでがん張っていろ、一寸も動くな」
「ヘエ」
八五郎を残して、平次は路地へ飛び出してみました。争いは一瞬にしてやみましたが、四人の下っ引は路地の外に一団になって何やら騒いでいるのです。
「どうしたんだ」
「助十がやられましたよ」
「何?」
下っ引のうちでも一番年嵩の助十が、曲者に脇腹を突かれて、薄傷ながら三人の介抱を受けているのでした。
「曲者は?」
「後ろから抱きついたあっしを刺してヤミの中に姿を隠してしまいました。柄の小さい奴ですが、恐ろしく素早い野郎で」
助十は説明しております。
「早く家の中へ運んで手当をするがいい。傷は浅くても放って置いちゃよくない」
平次は云い捨てて路地の外へ出て見ました。
たんすの中
「何より傷の手当が先だ」
平次は何より手負いのことばかり心配しております。万一破傷風にでもなってはと案じたのでしょう。
「だい丈夫ですよ、たいしたことはありません。傷はでっかい引っ掻きほどだが、びっくりしただけのことで――」
助十は威勢の良いことをいっておりますが、それでも一応前後のことをきいただけで、下っ引を一人つけて、家へ送り届けました。