Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうだ、わかるか、八」

平次は考え込んでいる八五郎のまげ越しにのぞきました。

「わからねえというのもごう腹ですね。半兵衛はばくちが好きだったそうですから、これは花合せの何んかじゃありませんか」

「なるほどね」

「もっとも『さくら』と『あやめ』と『ぼたん』じゃ役にも得にもなりませんね」

「その二十六とか三とか四とかいう数は何んだと思う」

「そいつはあっしじゃ一と晩ぐらい考えたってわかりませんよ」

「諦めが早いな」

「そこで、物は相談ですが」

八五郎は坐り直しました。

「また眼つきが変になったよ。今度は何をやりゃいいというのだ」

「この文句はもう覚え込んでしまったでしょうね、親分のことだから」

「これくらいの文句なら、二、三度読んでいるうちに、だれだって空で覚えるよ」

「ところが、あっしはまだ覚えません。『ぼたん』が二十六だか、『あやめ』が二つだか」

「心細い野郎だ。念のために、よく覚えて置け。書いたものは人に取られると面倒だ」

「ところで空で覚えてしまえば、この紙片は要らないものでしょう」

「そうだよ、今朝迄は焼いてしまおうと思っていたんだ」

「それじゃあっしに下さいよ」

「何をするんだ」