Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

もう夜更けですが、雨は上がった様子で、四方は不気味なほど静まり返りました。

「まア、一杯やるが宜い。このまま飯にしちゃ毒だよ」

「ついでに今晩は泊めて下さいな親分、用心棒になりますよ」

「お志ざしは有難いが、お前は一杯飲むとウワバミのような鼾をかいて寝込むから、用心棒どころか心張棒ほどの役にも立たないよ」

「ヘッ、違げえねえ」

八五郎はピシャリと自分の頬をたたきました。五、六杯立てッ続けに引っかけて、もう青大将ほどの生地は出来た様子です。

「ところで、五郎八がおれを五重の塔に呼び寄せたわけを聴きたいといったね」

「ヘッ、それですよ。あっしにはどうしても悪人のすることがわからねえ。黙って居りゃ宜いものを何んだって人もあろうに、銭形の親分なんか呼び出して、自分の首に縄を掛けるようなことをするんでしょう」

「皆んな自惚だよ。悪い奴は増長すると自分の智慧や腕に慢じて、この平次をからかってみたくなるのだ。もっとも五郎八が五重の塔へおれを呼び出したのは、他に狙いがあった」

「ヘエ?」

「五重の塔の上に誘って、おれにあの御用金の空箱を見せたかったのだ」

「箱は皆んな空ッぽだ。おれはそれを見せつけられて黙って引っ込むはずはない」