Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
お蔵の番人たちも、そのころまで無事でいるはずもありません。
「いや、たいした御馳走だぞ」
「今夜の酒はよく利くぞ、各々」
そんなことをいいながら、蔵の前にがん張った三人の番人も、甚だしくロレツが怪しくなります。
「市ヶ谷の御上屋敷から、お喜びの御馳走でございます。お過しなさいませよ」
「いや、もうかなわぬ、許せ」
「あれ、そんなことじゃ」
ここへ来た芸子の一人は、二十二、三の中年増で色っぽくて、勤め上手で、そしてこの上もない魅力的な女でした。
番人たちはその調子に乗せられるともなく、思わず呑み過して、お蔵の戸前の前に、枕を並べて寝転んでしまいました。
「姐御、首尾は?」
暗がりの中から、顔を出したのは、十五、六の少年でした。
「シッ、声が高いよ。皆んな材木のように寝込んでしまったけれど、鍵がなきゃこの戸前を開けるわけに行かない」
「そんなことに如才があるものか。大橋要人の腰から、お栄姐さんがこれを抜いたよ」
「まア、さすがに良い働きねえ」
女――芸子と見せた年増女は、少年を引き寄せて、その脇の下に手を入れるとグイと抱き締めるのでした。
「あ、苦しい」
「ま、この子は本当に仕様がない。