Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

何時までもそんなで――」

女は少年を突き放すと、受け取った鍵を、厳重なお蔵の錠前に差し込むのです。

「皆んなは?」

「待っているよ」

「一つが十貫目もあるんだから、二人で一と箱づつ運ぶが良い。有難いことに海が鼻の先だから、船に積んでしまえば、上総房州までも一と息に持って行かれる。頼むよ」

「あいよ」

闇の中から出て来た五、六人の男、この暑いのに念入りに覆面したのが、蔵の中から五つの二千両箱を取り出して、さながら蟻が餌を運ぶように、黙々として運んで行くのです。

「いや、もう大笑いだよ、親分」

八五郎が明神下の平次の家へ飛び込んで来たのは、その翌る日の朝の卯刻半(七時)前でした。

「縁起がよくて、お前は幸せだよ。朝っから大笑いなんか持込みやがって」

寝足りない顔の銭形平次は、猿屋の総楊枝をくわえたまま、椽側に立ってぼんやり狭い庭の朝をながめているのでした。

「いやもう親分、大笑いのコンコンチキさ。相手はどんな術で来たと思います、親分」

「おれはそれを考えて、ゆうべはまんじりともしなかったのさ。組屋敷の門内で仕事をしなきゃ、市ヶ谷の尾州様上屋敷へ荷がついてからだろう」