Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

「一応はそう思うだろうが、あの老爺は余計なことを知り過ぎたよ。昨夜のことだって皆んな見ていたに違いないから、責められると一万両の隠し場所を、ペラペラとしゃべらないものでもあるまい」

「その一万両は何処にあるでしょう、親分」

「それを調べるつもりで外へ出たのだ。もう一度、蔵屋敷の外へ引返そう」

「ヘエ」

平次と八五郎は、もう一度蔵屋敷へ引返しました。方三四丁もある塀外を、グルリと一と廻りした平次は、

「見るがよい、八」

潮入の池に水を引く、石で畳み上げた小さい水門の前にピタリと立ち停りました。

「こいつは丁度鬼門に当りますね、親分」

「家相を見ているんじゃないよ。尤も争われないかも知れない、その水門から一万両の小判が逃げたのだ」

「ヘエ?」

「塀は高いし、締りは厳重だし、裏門を出た八人は何んにも持っていなかったとすると、一万両の小判は、この水門を泳がせて、海に出すほかに屋敷の外へ持ち出す工夫はあるめえ」

「ヘエ」

「水門は狭いから、人間はもぐれないが小判なら楽にもぐれるだろう。一人は屋敷の中からひしゃくか何んかに入れて出すのを外にいる仲間が受取りゃ宜い。一万枚の小判を出すには、一刻もかかるだろうが、一と晩仕事には楽だ」