Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

「すると?」

「待ちなよ、だれか路地へかけ込んだ者があるようだ」

平次が聴き耳を立てる間もありませんでした。

「親分大変なことになりました。早速お出でを願います」

それは滅多なことでは驚いたことのない、湯島の吉という中年者の下っ引でした。

「どうした、吉じゃないか」

「妻恋稲荷さまの裏で、あの小僧が殺されていますよ」

「樽拾いの小僧か」

「え、元吉とか言いましたね。可哀想に、野良猫のように首に縄を掛けられて」

湯島の吉もさすがに声を呑みます。

「行こう、八――そんな事にならなきゃ宜いがと思ったが」

平次の予感が残酷なほどよく当りました。三人一団になって、妻恋稲荷の境内を抜け、その後ろの藪へ出ると、町役人や弥次馬が、幾つかの提灯とともにひしめき合う中に、あの樽拾いの小僧の死体が横たわって居るのでした。

「おや、銭形の親分、――こいつはもうだめだね。殺されてから半刻は経っている」

町内の医者は坊主頭を振りながら、そっと死骸の側に立ち上がりました。

「ひどい事をしやがる」

「こんなむごたらしい事をする野郎は、磔柱を五、六本背負わせなきゃ、腹の虫が納まらねえ。畜生ッ」

平次と八五郎は死骸を中にしてしゃがみました。