Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

谷中の森

「あれほどの騒ぎを、近所では気がつかなかったのかな」

その辺にウロウロしている人達に問いかけました。

「何分、この家だけ一軒離れておりますから」

引取って答えたのは、家主の中老人でした。

「すると金沢町へ知らせに来たのは?」

「下手人でなきゃ、下手人の仲間ですよ。途中で消えてなくなったのからして変じゃありませんか」

八五郎は至極当り前の事らしくいうのです。

谷中の森

「親分、ヘッ、ヘッ、ヘッ」

「何んだえ、人の面を見て、いきなり笑い出しゃがって、殴られても文句はいわねえだろうな」

銭形平次と八五郎は、こんな調子で始めました。本所の石原で、小僧定吉の父親定五郎が殺された翌る日のことです。

「親分のことを笑ったんじゃありませんよ。実はこのあっしが変なことを頼まれたんで」

「広い世間だ、八五郎に物を頼むような酔興人もあるだろうよ、――金でも貸せというのか」

「ご冗談で」

「踏台代りに、背中でも貸せというのだろう、――相手はだれだ」

「それが大変なんで。女ですよ、ヘッ」

「どこの誰だ。それとも叔母さんが留守番に来てくれとでもいうのか」

「金沢町の近江屋のお栄です」

「何んだと、まさかお前を口説いたわけじゃあるまいな」