Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
「今度は谷中の森、同じく刺し殺された上、木の枝へ磔刑にされているんだ。凄いの何んのって」
「だれだ殺されたのは?」
「近江屋の番頭宇八ですよ」
「あッ、それは」
平次もさすがに驚きました。この宇八こそは、近江屋主人半兵衛、樽拾いの小僧元吉、定吉の父親定五郎など続け様に殺した、第一の容疑者で、この数日来江戸中の御用聞を動員して、その行方を捜させていた人間だったのです。
その宇八が、半兵衛や定五郎と同じように、刺し殺された上磔刑にされているとは、これこそ想像も及ばぬ事件の成行ではありませんか。
手早く支度をすると、ガラッ八に案内されて平次はひたむきに飛びました。
「八!」
「ヘエ」
「お前は恐ろしく足が達者だが、俺は馬のようには駆けられない」
「あっしは馬ですかえ」
「怒るなよ、八。馬だってそんなには駆けられないよ、少し息をつく間、ゆっくり歩いてくれ。向うは見張りの者がいるだろう」
「お山同心に見張りを頼んで来ましたよ。寛永寺の寺内ではないが、どうせお山の見まわりが見つけたんだから」
「それでは急ぐことはあるまい、――お前はだれに聴いてお山へ行ったんだ」
「近江屋を出て、家へ帰るつもりで歩いていると、谷中の菊の野郎がとんで来ましたよ。