Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
銭形平次は眼の前に四つの死骸を並べられ、最初の事件から十日あまりの日を重ねましたが、一体何んの目的でだれが殺したのか、そしてこの後も、だれがだれを殺そうとしているのか、まるっきり見当がつかなかったのです。
「八、お前は近ごろ、すっかりお栄とじっこんになっているようだな」
「それほどでもありませんよ」
平次の調子が真剣なので、八五郎も惚気まじりに受けられません。
「用心棒にお前をやったのは、色事の取り持ちをするつもりでなかったことは、懐ろの十手の手前、お前も知っている筈だな」
「ヘエ?」
「用心棒なら叔母さんだけで沢山さ。お前をやったのはな、八」
「?」
「お栄の二の腕を見てもらいたかったのだよ」
銭形平次は到頭本音を吐きました。ガラッ八に恋の冒険までさしても、これを知りたい謎だったのです。
「ヘエ? お栄のね」
八五郎の顔の照れ臭さ、狭い額を撫でたり、長んがい顎をしごいたり、暫らくは両手のやり場にも困っていた様子です。
「その前に一応町内の二つの風呂屋にも当って見たが、二軒ともお栄が来たことはないというのだ」
「近江屋には内風呂がありますよ」
「そうだってね。出来星の小さい質屋に内風呂は大げさだが、考えてみると殺された主人の半兵衛も、番頭の宇八も、人に見られたくない二の腕を持っていた」