Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

私はな、ここぞと、お雪坊の孝行なことや、死んだ元吉のこと、お前の不仕合せなことまで、一切合財申し上げたよ。するとお奉行様は、大層感心なすってな、お雪とやらの孝心は篤く褒め置くぞと仰っしゃってな、窓から投り込まれた金子二十両は、天孝子の志しをめでて下すったものであろう、そのまま持帰るようにとその儘お下げ渡しになったよ。有難いことではないか」

「――」

立てッ続けに弁じている仁助老人の言葉を聴いて、女房はまたも涙を新らたにした様子です。

平次は急に声を掛けもならず、暫らく部屋の隅、ガラクタの蔭に控えておりましたが、やがて日向を歩いて来た仁助老人の眼が馴れて、家の様子が見え始めると、

「おや、銭形の親分じゃありませんか。黙って聴いているのは、人が悪いぜ」

照れ臭そうにそんなことをいいながら、禿頭の汗を拭いたりしております。

「あっしに口を利かせなかったのですよ。それは兎も角として、よい塩梅でしたな」

「有難いことだよ。これもお雪坊の孝行の徳さ――私はね、半歳も家賃を取らずに、黙って見ていたが、今日はそれどころじゃない良い心持になりましたよ。婆さんにそういって、赤飯でも炊いて届けることにしよう。