Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
「そんな大層なものなら、見たといわずに拝んだといえよ、――新造の二の腕を見て、眼の色を変えるなんぞ、甘えもんだな、八」
平次はそういいながらも、かなり好奇心を動かしている様子です。
「ところがその二の腕は、出来たての餅のようで、入墨や刺青は愚か、蚤にさされた跡もありませんよ」
「それで眼の色を変えて飛び込んで来たというわけか、――ところで、お前の見せてもらったのは、右の腕か左の腕か」
「右も左も見ましたよ。この眼で見たんだから間違いはありません」
「あばたがえくぼに見える眼だ、あまり当てにならないが、まず本当にして置こう。ところでお栄の腕に賽の目の入墨がないとすると、一体だれの腕に残る一の目があるんだ」
「そいつは斑組の首領なんでしょう、――何処かに死んでいるんじゃありませんか」
「すると、宇八を殺したのはだれだ」
「あっしに判るわけはありません――兎も角、お栄は山賊の首領にしちゃ、少し若くて綺麗過ぎますよ」
「呆れた野郎だ。お前の眼から見れば、若くて綺麗な女は、皆んな善人だ」
「ヘッ、おあいにく様みたいで」
「ところが、お前はこの財布の柄を思い出さないか、何処かで見たことのある柄だが――」