Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

「ヘエ、こいつは、真田幸村の紋だ」

八五郎の声の頓狂さ。

「そんな小さい六文銭があるものか、それは賽の目の六だよ」

「賽の目にしちゃ大き過ぎはしませんか、豆粒ほどの大きさですぜ。こんな大きい目の賽ッころは、玩具屋の看板にブラ下がっている張子の賽だ」

「真物の賽の目の通りには彫れないよ」

むだを言いながらも平次は、念入りにその入墨を眺めております。

「そう言えば、薄く四角の筋彫がありますね」

そんな事を言って居るところへ、玄関からヌッと入って来た男がありました。

「おや、お栄さん、何うかしたのかえ」

「あ、宇八さん、大変なことが」

「何をやったんだ」

それは三十七、八の痩せぎすの強靱な感じのする男でした。お栄はこの時漸く元気を回復したらしく入口の方に這い寄ります。

「伯父さんが――殺されたのよ」

「えッ、あの人が、――かつぐんじゃないだろうな。人に殺されるようなヤワな人間じゃない筈だが――」

そう言いながら入って来た番頭の宇八に、手燭の灯りの下に斑々たる血潮や、椽側の行燈の側に、死骸を調べて居る平次と八五郎を見てさすがに仰天した様子です。

「銭形の親分よ、宇八さん」

「そいつは――驚いたね、そんな事と知らないから、芝で二三軒まわって、ごちそう酒で良い心持になって歩いて居たが――」