Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme

Aozora Bunko

「真理だ、皮肉だ」

「そんなに感服するなら踊れよ、周馬」

「貴公もおれも踊れない人間だ。ああして、何もかも忘れ果てて踊るべく、あまりに屈託があり過ぎる」

「おれや今のところ、屈託も何もねえつもりだが」

「嘘をつけ、お十夜。周馬をそんなに甘くみるな」

「いやにからんだ言い方をする!」

「そうさ、そっちで水臭い真似をするから、拙者にしたって面白くない」

「何をひがんでいるんだ。踊りを見に来て、そんなまずい面をして歩く奴があるもんか。オイ周馬、今夜はおれが奢ろうぜ。松源か、万辰か、淀屋か」

「どこへでも案内してくれ、少し、飲みながら談判がある」

「おそろしい権柄だな、怒るなよ、周馬。死んだ天堂が、草葉の蔭で笑っているぜ――。またあいつが持前を出してジブクッているって――、だが、おれは気の練れた悪玉だ、いくらお前が、駄々をこねたって、天堂みたいに煙管のガン首をほうりもしねえし、その代りにまた、お前のいうことをすなおにきく人間でもねえんだ。まア、つまらねえ不平を持たずに、おれの奢る酒でも飲んで、気のくさくさを取って話すなら話してやろう」

新町川のそばにある浜茶屋へ、孫兵衛は黙って先に入ってしまった。