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Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme

Aozora Bunko

「おれや、奥歯に物の挟まったような話は、大嫌いだからな」と、熱いのをグッと乾して、周馬へ渡した。周馬もすぐ応じて酌ぎ返しながら、

「どうも拙者には一ツよくない性格がある。物を明らさまにいえないことだ」

「いったいお前は陰険だ。同じ悪党なら悪党らしく、おれのように図太くなれ」

「まったく拙者は陰険だ。計画的な悪事はやりとげてみせるが、貴公のように、線の太い押しのある真似はできない」

「ばかに今夜は下手に出るぜ」

「いや、これからは、永く貴公の下風に立つよ。どうか弟だと思って、足らないところは遠慮なく叱ってくれ。けれど、お十夜……」

「ウム?」孫兵衛はだいぶ気分をなおして、しきりと、手酌をかさねていた。

「――貴公を兄と慕っているだけに、あれを秘密にしているのは、どう考えても水臭くっていけない。ふたりの友情にヒビの入る原因というものだ」

「何を?」

「剣山でよ」

「剣山で……?」と、孫兵衛はそらうそぶく。

「天堂一角の亡骸を見つけた時、かれの死首がくわえていた一ツの秘冊を、貴公、すばやく懐中へ隠したじゃあないか。その後、どうして拙者に実を明さない」

「何も、秘し隠しにしやしねえ」