Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんひょう
黄金豹/妖人ゴング
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金豹/妖人ゴング (おうごんひょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 153.404 Zeichen · 307 Bildschirme
まるで池の底が、ぐーっと、もちあがってくるように見えたからです。
水が青くにごっているので、よくは見えません。でも、その大きなものが、スーッと浮きあがってくるにつれて、だんだんはっきりしてきました。
俊一君は、いまわしい悪魔を見ているのではないかと、うたがいました。それは、じつに、とほうもないものでした。ゆらぐ水の中をすかして見るので、たしかにそうだとはいいきれませんが、それはべらぼうに大きな、ほとんど池いっぱいの人間の顔のように見えました。
俊一君は、もう動けなくなってしまいました。からだが石のようにかたくなり、足がしびれてしまって、どうすることもできないのです。心臓のドキドキする音が、じぶんの耳に、聞こえるほどです。
見まいとしても、目がそのほうに、くぎづけになって、見ないわけにはいきません。それは、やっぱり、人間の顔、いや、悪魔の顔でした。池いっぱいの巨大な悪魔の顔が、水面に浮きあがってきたのです。
そいつは、水の中で、一メートルもある大きな目を、ギョロギョロさせていました。畳一畳もある巨大な口の、まっかなくちびるのあいだから、牙のような二本の歯が、ニューッとのぞいていました。