Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
(凄いのう)とまた思った。(俺の方がやられる! 俺の方がやられる!)
かつてこれまで一度として、かわされたことのない一薙ぎであった。それをどうしてかわしたものか、盲人の身でありながら、眼にもとまらず引っかわし、寂然として立っているのであった。
(凄いのう。俺の方がやられる!)
範覚は恐怖を感じたが、さすがに逃げようとはしなかった。
左へ左へ左へと足音を忍ばせて廻り込み、隙を狙ってもう一度、足を薙いでやろうと構え込んだ。
と、どうだろう、相手の盲人は、両眼さながら見えるかのように、これも左へ左へと、同じように廻り込んだ。
(変だ。いや変ではない。……こやつ見えるのだ! 眼が見えるのだ!)
範覚はそう思った。
(それにしても何者だろう?)
なお範覚は執念深く、左へ左へと廻り込んだ。
と、そういう範覚の耳へ、鬼火の姥のいる沼の方から、けたたましい退き鐘の音が聞こえ、つづいて烈しい喊声が聞こえ、やがてこっちへ大勢の者が、走って来る音が聞こえて来た。
(どうしたのだろう? 何か起こったな!)
そう思った暇もなく、木の間をくぐり藪を踏み越え、数十人の人影がなだれて来た。