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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

蔽いの布が波を立てた。

起き上がろうとするのであろう。

が、血紅色の龕燈の光を、血溜りのように、浴びている布の下の、浮藻の体は縛られていたので、血溜りに波を立てたばかりで、起き上がることは出来なかった。

浮藻の顔が布で隠され、小次郎の顔が閉じられた戸の、窓の向こう側に隠された時、漢権守の一行は、廊下を向こうへ歩み出した。

窓の戸を叩き、部屋の扉を蹴り、詈り、叫び、やがて嘆願する、小次郎の声が部屋の中から嵐のように聞こえて来ても、それに答える何物もなかった。

血紅色の龕燈の光が、遥かの廊下の向こうに見え、そこから鈴の音が聞こえるばかりであった。

それも廊下を曲がったと見えて、間もなく見えなくなってしまった。

叫びつかれ、狂いつかれて、小次郎は俯向きに仆れてしまった。

(おお浮藻はどうなるのだ! おお浮藻はどうされるのだ!)

活躰解剖の犠牲にされて、不具者にされるということだけは、疑がいないように思われた。

その活躰解剖の恐ろしい苦痛も、人に聞かされて知っていた。

(生きながら浮藻は切られ刻まれて、不具者にされるのだ)

その浮藻とは卯ノ丸に導かれ、この城の中へはいって以来、引き放されて別々にされ、今まで逢うことが出来なかった。