Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
親と子
親と子
その同じ夜の深夜であった。
六波羅探題の奉行職、斎藤太郎左衛門利行は、にわかに眠りからさまされた。
「お嬢様おこしにござります」
と、侍臣が知らせて来たからであった。
「ナニ嬢が? 早瀬が来たと?」
「はい、おこしにござります」
「で、頼春も一緒にか?」
「いえ、お一人にござります。……それもお供もお連れ遊ばさず」
「…………」
太郎左衛門は立ち上がった。
先年妻を先立たせて以来、側室も置かない男鰥の生活、それだけ真面目な人物であったが、娘を愛する心持ちは、人いちばい勝れていた。
(この深夜に女の身一人で、三条堀川からこの六波羅まで、何用あって来たのであろう?)
(――大事が! 何か一大事が!)
ふとそんな予感がした。
(夫婦あらそいかも知れぬわい。あまりに仲がよかったから)
こんなようにも思われて、つい微苦笑が浮かびそうになったが、恋婿頼春にかたづいて、三年をけみした今日が日まで、ついぞ一度としてそのような始末を、持ちこんで来たことのない彼女であった。そうではあるまいと考えられた。
「よいわ、ここでよい、寝所へとおせ」
立ち上がった太郎左衛門はまた坐った。