Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

小次郎がこの館へはじめて来た時、弓の折れの鞭をひっさげて、例の稽古をつけていた男が、この大蔵ヶ谷右衛門なのである。

「……ウナイ男に慕われて、もう一人の男にも慕われて、どっちへも行けずにママのテコナは、真間の入江へ身を沈めて、若い身空を死んでしまったんですものねえ、テコナはほんとうに可哀そうよ」

いろ紙で雛を折りながら、そう浮藻は小次郎へ云った。

「はあ」

と小次郎は返辞をした。

「阿呆な女とも云えますなあ」

滑らかな細い浮藻の指先が、器用に動くのをうっとりと見ながら、小次郎は云いつづけた。

「もう少し気の利いたやり方だって、ありそうなものに思われまするがなあ」

「どうして?」

と浮藻は眼をあげた。

不平そうな色が眼に出ていた。

「二人の男を順番に取って、二人ながら満足させ、自分でも満足するという法など……」

「小次郎や」

とたしなめるように、今夜は不思議と女らしく、膝の上へ派手やかな縫い物を置き、針をはこばせていた桂子が云った。

「娘に頬を染めさせるようなことは、なるべく謹んで云わない方がいいよ」

「はあ」

「小次郎や」

とまた桂子は云った。

「すこしわたし苦になっているんだよ」