Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
「はあ」
「その『はあ』という言葉だがねえ」
「はあ」
「それそれ、それがいけないのさ。田舎びていて間が抜けていて、下卑てさえいる『はあ』という言葉、それを使うとお前さんの縹緻が、――綺麗すぎるほど綺麗な小次郎が、一度に田舎者になってしまって、どうにも嬉しくないのだよ」
「へい」
「あれ、『へい』はもっと悪いよ」
「はあ」
「あれあれ元へ戻ってしまった」
「…………」
「今度は唖者になったのね」
「何んと云ったらいいのです」
「『はい』とお云いな、ただ『はい』とねえ」
「はい」
「及第だわ、満点よ」
「はあ」
「おや」
「ハッハッハッ『はい』」
ここでみんなは笑いだしてしまった。
で、この部屋にはなごやかな気分が、ひとしきり拡がりただよった。
馬追は燭台を巡りながら、毛のような触覚をふるわせたり、青い羽根を時々ほころばせたりした。
「右衛門や、まだ磨ぐのかい」
と桂子は右衛門へ話を向けた。
「いいかげんでおいたらよいではないか」
「お姫様」
と右衛門は云った。
「この鉞を磨ぐということは、私の趣味でござりましてな。これさえ磨いでおりますると、私は心持ちよろしいので」
「大変物騒な趣味なんだねえ」