Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
「なアに、御覧の通り島が小さいのですから全体を廻るにしてもざっと半日あれば足りますよ」
と云って、長い杖を一本私に渡しながら大きい声で翁は笑った。
三人続いて門を出ると、直ぐ径は坂になった。若い松がまばらに生えて、山の肌はうす赤い。雲は多いが、折々暑い日が漏れて、私の身体はすぐ気味の悪い汗になった。その赤い山襞のあちこちに遥々都から御あとを追うて来た御側の女がやがて身重になって籠ったあとの森だとか、同じくおあとを慕われた姫宮がどうなされたとかいう様な伝説のあとを幾箇所も見てすぎた。
程なくその島の脊に当っていると思わるる峠を越すと、今まで見て来たと違った海が割合に広々と見渡された。峠に崇徳上皇を祭ったお宮があった。小さいながらにがっしりとした造りで、四辺には松が一面に枝を張っていた。東南に向った海の眺め、海に浮ぶ二三の島の眺め、それらを越して向うに見渡さるる四国路の山から山の大きい眺め、流石に私も暫しは疲れを忘るる心地になった。其処を磯の方にとろとろと二三丁も下ると、きょう目ざして来た重もの目的のお宮の跡というのに出た。
其処も小さな山襞の一つに当っていた。