Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
日本は同盟国だとか何とか云って、時々御世辞をつかってるが、そんな甘手にのる奴は、山登りなんかに来るもんか、全体英国と云う国は、ろくに高い山もないくせに、いやに威張って外国人を科の異なった動物あつかいにするから癪にさわる。日本にも近頃よくある奴だが、わたくしは同国ですとか、あれは他府県の者だとか、やれ県人会だ町人会だと、騒ぎ立てるのが滑稽だ。
婆さんは、何とかの大学を卒業したとかしないとかで、独逸に何年いて、フロリダに何年いて、今は露都で教授を商売にしてると、聞きもしない事を白状した。先生だけに口は中々達者だが、惜しいことには山のことは何にも知らない。退屈で退屈で閉口しているのに、人の気も知らないで、しきりに雄弁をふるっている、これでなくては先生は勤まるまい。よくは聞いてもいなかったが、人間には宗教が必要で、宗教は耶蘇教で、耶蘇はプロテスタントに限る、だから妾が一番えらいんだと云うようなことを、ながたらしくしゃべってる。私は宗教が、山登りのアルペンシュトックほど必要だとは知らずにいた、出来るだけ話をそらして、ユンクフラウの美を説き、ラウテルブルンネンの夕を語っても、こう凝り固まった宗教婆さんには、馬の耳に念仏ほどの効果もない、或いは向うでもそう思ってたかも知れない。