Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
何も図に乗って駄々をこねる訳ではないが、景色だってその通りで、日本の山には雪が少なし、氷河の如きに至っては、遺跡があるのないのなんて、なさけない事を騒がなければならない位、心細い始末だから、どこが風光絶美なんだか、今のところ、一寸説明の持ち合わせがない、これも、昔の御歴々が、朝鮮、支那、遠いところで、先ず、カリフォルニヤあたりの風景を御覧遊ばし、異国、異国ってこんな景色かいってところから、だんだん御まけが加わって、いつの間にか、世界一に出世してしまったんだろう。山の小さな国に、自慢するほど、いい景色のありよう筈がない。日本の景色でよかったのは、渓流と天然の密林、それも何年か昔の話で、大抵の森林は、もうすっかりマッチの軸木と焚きつけに変ったから、今では林学や地理科で取りあつかうより、歴史の領分になってしまった。水の方は、今でもあんまり変るまいが、森がさっぱりと切りはらわれて、薄っきたない杣や炭焼きの食いかけた、沢庵の尻尾が流れるようになっては、いくらさらさらと麓をめぐっても始まらない。
昨日会った知人も、北イタリヤの人だけに日本の景色をまっ正直に、広告通り心得て、いろいろ聞くんで冷汗が流れた。