Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
迎えに来ていたポルティエに荷物をあずけて、朝飯は、白ら白ら明けにたたき起こされた国境のバーゼル Basel のビュフェーで、使い残した独逸の銀貨で、もう此の夏はこちらへ来ないつもりだから、総仕舞にちと大袈裟に詰め込んだし、此の天気では、街から今朝は山は見えずと、大通りを落ちつきはらって、雨の中をぶらりぶらり、傘もささないでやってくる有りさまは、我ながら勇ましい。
第一に眼についたのが登山用具、これは場所がらなり場合が場合で、欲しい奴が大分あるが、有り金残らずはたいても、限りがなさそうだから素通りにする。次は絵はがき屋、これは金はかからないが、集めるとなるとかさ張って、すでにハイランドで四百枚、ノルウェイの五百枚、ベルリンのオペラものが三百何十枚、スウートケイスの一つはフィルムと絵ハガキで、ものの五貫目はあろうという始末、どうせベルンには二度や三度は帰って来るつもりだから、その折りのこととして、ここもさっぱりと素見して通った。洋服屋の旅行服も、さしあたって用はなし、シュネーフーンの帽子飾りも、一と月から山に入るには邪魔になるばかりで腹のたしにはならないと、扨て次が本屋、これはまず正面を切って這入り込む、鼻眼鏡のおやじが出て来て、何を買うんだって顔をしている、さあ店には這入ったが、買うものにはまだ腹案がない