Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
ストーヴはいつの間にか消えてしまって、気息が冷や冷や感ぜられる、備付けの毛布が充分あるから、気温の冷えてゆくのを、厚い毛織りに遮ぎって、スウェターをぬいだままの旅姿で、海老のように丸まって寝た、さんざん寝返えりうって、とろとろと寝ついたのは、無論真夜中過ぎであったろう。
ふと眼が覚めた時は、みんなおとなしく寝静まって、まだ盛んに窓を打つ、吹雪の音ばかり、骨に沁みるばかりに響いて来る。マッチを磨って見ると、二時半であった、また毛布にもぐり込む。
四時頃にガイドが下りて来て、例の仏人を起していたのは、うすうす承知したが、私達二人が起き上ったのは、もう七時過ぎであった。あの連中は、もうとうに山越しにかかったと見える、雪は漸く止んだが、表は気息がつまりそうな濃霧で、風は無いが非常に寒い、ガイドはとうに、次の室に下りて来て、ストーヴには、スープでも掛けてあるらしい。私達はそれでも、毛布の中に丸まって、中々起きようともしなかった。
ヘッスラーが戸口からのぞき込んで、何だか天気になりそうですって知らせに来た、私達は漸く起き上る、顔を洗いに表に下りると、霧は淡いが、山は同じ色に真白で、晴れてゆくのかどうかさっぱり見当もつかない。