Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
何時間かかったか分からない、ガックの絶壁を下り切って、小屋の背ろへ引くフィルンの上に下り立つと、真夏の日もとうに沈んで、空は暗く、雲は灰色に変って、少し離れて跛足ひきひき、波にただよう形のフォイツまで、いかにも影が薄く思われた。
「もう駄目だ、歩けない」
近藤君は雪の中に座ってしまった。私もそのそばにぼんやり座ってしまった。すると近藤君は、また起き上って動きだした、私も影のようにぼんやりあとについて行く、こうしてどこまでフィルンを歩いたか知らないが、私達は三人とも、いつのまにか、ばらばらになって、フォイツも近藤君も、どこへか見えなくなってしまった、そして私は、フィルンのはずれにある、中ノ島の上まで、どうにか、こうにか辿りついた、近藤君を呼ぶと、後ろの方で、いかにもたよりの無い返事が聞えた。
岩山のはずれはまた雪になって、遠く向うに、今朝発った小屋が、薄くらがりに将棋の駒のように、ぽちっと雪の間に望まれる、私は小屋が見えると思ったら、もう筋が抜けたように、そのままぐったりと腰を下ろして、後になった近藤君を待ち合わせることにした。
昨日、今日と、二日かけて踏みかえした雪路は、どんよりした夕闇の中にも、でこぼこに入り乱れて、今下りて来たガックの方から、小屋を目がけてまっすぐに走っているのに、と見ると、たった一筋